新規就農のパターンを大まかにご紹介

現代日本の食料自給率は、カロリーベースでたったの39%しかありません。日本は世界の多くの国と友好関係にありますので、食料自給率が低くても食べ物に困ることはなさそうに思えます。しかし貿易上の問題だけではなく、世界的な気候変動などによって農業生産が停滞した場合、自分の国の台所事情を度外視してまで日本に農産物を供給することができるでしょうか。その意味では農業は、安全保障に繋がる重大な問題なのです。そのため、旺盛な意欲と明確なビジョンを持つ若い人の農業への参入が期待されています。国は平成24年度から農業に新規参入、つまり新規就農する個人には、年間150万円の給付金を提供し、それを支援する取り組みを始めています。新規就農のパターンや、今後の展望を本稿で示してみます。

新規就農という新しいビジネスへの参入パターン。

日本の気候は寒暖がはっきりしていて降雨量も安定し、農業作物を栽培するには非常に恵まれた環境であると言えます。しかし世界的な産業構造の推移によって、旧来式の農業では安価な外国産の農産物には太刀打ちできなくなってしまいました。そして国内の構造においても第二次産業へ、更に第三次産業へとシフトし、バランスを欠く状態に陥っています。しかし株式会社ニッポン式のビジネスは、人を自然から切り離してしまうことが往々にしてあり、自ら行動しなければ緑を見る機会すら失われてきています。そうした社会に疲弊した個人が、食を再認識して農業に回帰する、という転換を果たすのはむしろ自然なことと言えます。とはいえ農業を取り巻く環境は決して楽観的なものではありません。旺盛な問題意識と意欲、新しいビジネスモデルとしての農業のビジョンが無いと、生き残るのは難しい環境なのです。

新規就農への国のコミットメント。

日本では2016年からTPPへの参入への動きが加速し、今後の食料事情は一筋縄ではいかなくなります。農家1戸あたりの生産高は、アメリカ合衆国やオーストラリアと比べると圧倒的な差があり、全く太刀打ちができないのです。そうした中で日本国内は新たに農業に参入するには、新しいまた明確なビジョンを持った若い個人の登場を待たねばなりません。新しいビジョンとは例えば、グローバルな競争を目指すのではなく、徹底してローカルに徹して新しい流通システムを構築できるなどの、優良な商品開発などが考えられます。そしてそうした個人を孤立させることのないよう国が後押しするシステムが新規就農・経営継承総合支援事業です。農家の高齢化が進む現在、食料事情がますます悪化しないために若い人材の参入を国が支援するのは、非常に合理的なのです。新規就農の個人が意欲だけで埋没しないよう、農業経営者育成教育機関や先進農家又は先進農業法人で学ぶために、あるいは経営開始直後の新規就農者に対して、平成24年から国が年間150万円の給付金支給を行なうという取り組みを始めています。